2026年上半期電池市場:寧徳時代が世界シェア4割、中国勢7社で72.4%を占める
2026年上半期の世界電池市場を分析。寧徳時代が世界シェア約4割を獲得し、中国勢7社が世界の72.4%を占める。財務データとSNEリサーチの統計から、日韓勢の苦戦とリン酸鉄リチウムの台頭を読み解く。
2026年上半期の世界電池市場は、中国勢の圧倒的な強さが際立つ結果となりました。SNEリサーチのデータによると、世界の車載電池搭載量は608.5GWh(前年比20%増)に達し、このうち中国企業が72.4%を占めています。さらに、上位10社のうち7社を中国勢が占め、首位の寧徳時代(CATL)は世界シェア39.9%と約4割を掌握しました。本稿では、各社の財務状況と市場データを基に、中国電池産業の現状と今後の展望を詳しく解説します。

核心内容
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財務データから見る企業格差:2026年上半期、寧徳時代と比亜迪(BYD)の売上高はそれぞれ2776億元、3448億元(車両含む)と千億規模に達する一方、孚能科技はわずか36億元で、3.97億元の純損失を計上しました。売上高の面で企業間の格差が鮮明になっています。
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収益性の違い:寧徳時代の売上総利益率は23.93%で純利益432.84億元を確保したのに対し、孚能科技は売上総利益率7.36%にとどまりました。国軒高科は純利益13.86億元を計上したものの、本業の利益は1億元程度で、補助金などに依存している実態が浮かび上がります。
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海外売上高比率の差:孚能科技は海外売上高比率が63.5%と高く、寧徳時代(31.5%)、国軒高科(34.1%)、欣旺達(32.7%)も2割を超えています。一方、中創新航は4.4%と極めて低く、国内市場への依存度が高いことがわかります。
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出荷量の実績:各社の中間報告によると、億緯リチウムは車載用35.76GWh、蓄電池用44.46GWhの合計80.22GWhを出荷。瑞浦蘭鈞は合計42.7GWh、欣旺達は車載用28.36GWh、蓄電池システム14.7GWhをそれぞれ出荷しました。
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SNE統計での車載搭載量:SNEリサーチの集計では、寧徳時代が車載用242.7GWh、蓄電池用125GWhでともに首位。比亜迪が87.7GWh、中創新航が31.2GWh、国軒高科が28GWh、億緯リチウムが20.9GWhと続きます。
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世界シェアの内訳:中国勢のシェア72.4%のうち、寧徳時代だけで39.9%、比亜迪が14.4%を占め、この2社で54.3%に達します。中創新航5.1%、国軒高科4.6%、億緯リチウム約3.4%が後に続きます。
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日韓勢の苦戦:LG新能源(LGエナジーソリューション)の搭載量は前年比8.4%増と世界平均(20%)を大きく下回り、パナソニックは10.2%増、SK Onは6.7%減、サムスンSDIはトップ10圏外に転落しました。北米需要の弱さやリン酸鉄リチウムへの対応遅れが響いています。
リン酸鉄リチウムの台頭:2026年上半期の車載用リン酸鉄リチウム電池の使用量は前年比29.4%増と、三元系リチウム電池(10.1%増)を大きく上回りました。中国勢はリン酸鉄リチウムを世界標準に押し上げ、コストと安全性で優位に立っています。

深層分析
中国電池産業の躍進は、単なる価格競争力の勝利ではなく、技術革新とサプライチェーン全体の競争力によるものです。特にリン酸鉄リチウム電池は、中国勢が世界市場に普及させた象徴的な製品です。安価で安全性が高く、サプライチェーンが成熟しているため、大众市場向けのEVに最適です。さらに、構造革新や急速充電技術の向上により、性能面でも三元系に迫りつつあります。
一方、日韓勢は高ニッケル三元系に注力してきたため、リン酸鉄リチウムの需要急増に対応できず、シェアを落としています。特にサムスンSDIのトップ10圏外転落は、北米市場の需要減退と顧客基盤の偏りが原因です。今後、日韓勢はリン酸鉄リチウムの生産体制を強化するか、全固体電池など次世代技術で差別化を図る必要があります。
中国勢の課題は、海外売上高比率の偏りです。中創新航のように海外比率が4.4%の企業は、地政学リスクや貿易障壁の影響を受けやすく、海外市場での現地生産やパートナーシップ構築が急務です。また、寧徳時代や比亜迪はすでに海外工場を稼働させていますが、欧米の規制強化にどう対応するかが今後の焦点となります。
2026年下半期も、中国勢のシェア拡大は続くと予想されます。特に蓄電池市場は前年比71%増と急成長しており、中国勢がその主導権を握っています。世界のエネルギー転換が進む中、電池産業は今後も中国がけん引する構図が続くでしょう。

よくある質問
Q1: なぜ中国の電池企業がこれほど強いのですか? A1: 中国は政府の強力な支援のもと、電池サプライチェーン全体を国内に構築しました。原材料からセル製造、リサイクルまで一貫して自給できるため、コスト競争力が高く、技術革新のスピードも速いのです。また、世界最大のEV市場を持つことで、規模の経済を享受しています。
Q2: 日韓勢は巻き返せるのでしょうか? A2: 巻き返しの可能性はありますが、容易ではありません。日韓勢は全固体電池など次世代技術で優位に立つ可能性がありますが、現行のリン酸鉄リチウム分野では中国勢のコスト優位を覆すのは難しいでしょう。また、北米や欧州での現地生産を加速し、地政学リスクを回避しながらシェアを回復する戦略が求められます。
参考 URL: https://mp.weixin.qq.com/s/fFzW7MeNY-mr-AlQnvgvCQ
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