エリ・リリー、Q3決算で売上高見通し上方修正 減量薬「ゼプバウンド」の需要が爆発的成長を牽引
エリ・リリーが発表した2026年3期決算は予想を上回る好調さを記録。減量薬「ゼプバウンド」と糖尿病治療薬「モンジャロ」の需要が強く、売上高見通しを大幅に引き上げた。市場の拡大余地についてCEOが強調した背景とは。
出典: CNBC
減量薬と糖尿病治療薬の市場が急成長を続ける中、エリ・リリー(Eli Lilly)が発表した2026年3期決算は、投資家に強烈なインパクトを与えた。同社は減量薬「ゼプバウンド」と糖尿病治療薬「モンジャロ」の需要が予想以上に高まっていることを示し、全年度の売上高見通しを大幅に引き上げた。この結果は、米国における薬価交渉による価格低下の影響をものともせず、同社の製品が市場でいかに強固な地位を築いているかを証明している。
核心内容
- 売上高見通しの大幅上方修正: 2026年度の売上高見通しを850億ドル〜870億ドルから910億ドル〜920億ドルへ引き上げた。これは、減量薬と糖尿病治療薬の需要が予想以上に強いことを示している。
- 「ゼプバウンド」の強烈な需要: 3期連続となる好決算を支えたのは、減量薬「ゼプバウンド」の需要の爆発的成長だ。売上高は前年同期比49%増の53億5000万ドルを記録した。
- 「モンジャロ」の世界的な成功: 糖尿病治療薬「モンジャロ」の世界的な売上高は前年同期比65%増の107億2000万ドルに達した。特に米国以外の市場では93%という驚異的な伸びを見せた。
- 新薬「フォンダイオ」の開始: 4月に米国で承認・販売を開始した新規経口減量薬「フォンダイオ」は、第1四半期に1840万ドルの売上を記録したが、市場予想を若干下回った。
- 米国市場でのシェア優位性: 米国の肥満および糖尿病治療薬市場において、エリ・リリーは63%という圧倒的なシェアを維持しており、主要ライバルであるノバ・ノルディスクの36.6%を大きく引き離している。
- メディケアによる保険適用拡大: 米国のメディケアがGLP-1薬剤の減量治療を含む一時的パイロットプログラムとして承認したことで、患者のアクセスが拡大し、需要をさらに後押ししている。
- M&Aによる次世代治療薬の開発: 巨額の利益を背景に、深刻な自己免疫疾患やアレルギー疾患の新しい治療法を開発するために、Merida Biosciencesの買収を進めている。

深層分析
エリ・リリーの圧倒的な成功は、単なる市場の好況によるものではなく、同社がGLP-1受容体作動薬の分野で構築した技術的・商業的優位性の結果だ。特に、減量薬「ゼプバウンド」は、市場参入以来、需要の爆発的な成長を続けている。これは、肥満や糖尿病という世界的な健康課題に対する解決策としての認知が急速に高まったことを示唆している。また、米国のメディケアによる保険適用の拡大は、この市場をさらに加速させる重要な要因となっている。しかし、米国における薬価の低下(7%減)という課題も無視できない。同社は、需要の増加(41%増)によって価格低下の影響をある程度相殺できているものの、長期的には価格競争が激化する可能性がある。このため、エリ・リリーは、単に既存の市場を拡大するだけでなく、次世代の治療薬を開発し、市場のシェアをさらに拡大することを急いでいる。その一環として、Merida Biosciencesの買収が行われた。これは、自己免疫疾患やアレルギー疾患という、これまでGLP-1薬剤で十分にカバーできなかった領域への展開を意味する。今後、エリ・リリーがこの買収を成功させ、新しい収益源を確立できるかどうかが、同社の今後の成長を左右する鍵となるだろう。
よくある質問
Q: 「ゼプバウンド」と「モンジャロ」の違いは何ですか?
A: 両方ともGLP-1受容体作動薬である点は共通していますが、「ゼプバウンド」は主に肥満の治療に使用され、「モンジャロ」は2型糖尿病の治療に使用される医薬品です。両方の薬剤は、減量効果と血糖値の低下効果の両方を持ちます。
Q: エリ・リリーのシェアがなぜこれほど高いのですか?
A: エリ・リリーは、GLP-1薬剤の開発において長年の経験と技術的な優位性を持っています。また、効果が高く、患者からの支持も得ている製品群を持っているため、市場でのシェアを維持・拡大できています。
Q: 「フォンダイオ」とはどのような薬ですか?
A: 「フォンダイオ」は、4月に米国で承認された、経口投与型のGLP-1減量薬です。注射剤とは異なり、経口で服用できるため、患者の利便性が高まっています。現在は肥満の治療に使用されていますが、4四半期には2型糖尿病の治療にも承認される予定です。
参考 URL: https://www.cnbc.com/2026/10/29/eli-lilly-lly-earnings-q3-2026.html
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