バブルマート、2026年上半期決算:純利益10%増も成長鈍化、海外市場の逆風と新IPへの期待
バブルマートの2026年上半期決算は増収増益も、成長率は大幅に鈍化。海外売上は11%減、創業者は下半期の圧力増大を警告。LABUBU依存からの脱却と新IP「スターリーマン」の躍進を分析。
中国を代表するアートトイ企業、バブルマート(泡泡瑪特、09992.HK)が2026年8月20日に発表した中期決算は、増収増益を確保したものの、その成長の質に変化の兆しが見えています。前年同期の驚異的な成長率から一転、利益成長の鈍化と海外事業の減速が鮮明になり、創業者の王寧氏は「下半期の圧力は上半期より大きい」と述べ、市場に波紋を広げました。本記事では、決算の詳細を紐解きながら、バブルマートが直面する構造的な課題と、今後の成長戦略について深掘りします。
核心内容
- 増収増益も成長率は大幅鈍化:2026年上半期の売上高は171.73億元(前年同期比23.8%増)、純利益(株主帰属)は50.38億元(同10.1%増)。ただし、2025年上半期の売上高成長率204.4%、純利益成長率362.8%という超高速成長からは明らかに減速しています。
- 利益成長が売上成長を下回る:売上高成長率23.8%に対し、純利益成長率は10.1%に留まりました。調整後純利益は51.6億元(同9.5%増)で、調整後純利益率は約30%です。経営利益は67.25億元(同11.3%増)と、いずれも売上成長を下回っています。
- 海外事業が逆風に:海外売上高は前年同期比で約11%減少し、中国市場の売上比率は約71%に再上昇しました。過去2年間の成長を牽引してきたアジア太平洋市場や米州市場で減収が見られ、海外事業は成長エンジンから足かせへと変わりつつあります。
- 為替差損が利益を圧迫:上半期に約7.2億元の為替差損を計上(前年同期は為替差益)。海外事業の規模拡大に伴い、為替変動の影響が顕在化しています。
- LABUBU依存からの脱却模索:LABUBUを含む「THE MONSTERS」シリーズは売上44.5億元で依然トップIPですが、売上構成比は前年同期の約33%から約26%に低下。一方、新IP「スターリーマン(星星人)」は売上26.5億元(前年同期比580.6%増)と急成長し、グループ売上の約15%を占めるまでになりました。
- 経営陣は成長目標を下方修正:王寧CEOは、2025年の高基数の影響で2026年は「経営調整の年」と位置づけ、売上高20%成長目標の達成は「ほぼ不可能」と明言。下半期はさらに圧力が高まるとの見通しを示しました。
- 市場の反応は厳しい:決算発表翌日の8月21日、株価は一時8%超下落し、時価総額は2000億香港ドルを割り込みました。2025年8月の高値333.88香港ドルからは5割超の下落です。

深層分析
バブルマートの今回の決算は、単なる業績鈍化ではなく、成長モデルの転換点を示しています。過去2年間の急成長は、LABUBUという世界的ヒットIPの海外展開と、中国国内でのコレクター需要の拡大に支えられていました。しかし、LABUBUの売上高が高基数に達したことで、その成長率は自然に低下します。同時に、海外市場では地域ごとの需要変動や為替変動、物流コストの増加など、事業拡大に伴う複雑なリスクが顕在化しています。特に、アジア太平洋や米州での減収は、LABUBU人気の一巡感を示唆しており、新たなIPの育成が急務となっています。
ここで注目すべきは、新IP「スターリーマン」の躍進です。前年同期比580%増という数字は、バブルマートのIP創造力とマーケティング力が依然として健在であることを証明しています。しかし、スターリーマンがLABUBU並みの世界的ヒットとなるかは不透明です。LABUBUは、その独特なデザインとSNSでのバイラル現象により、特定の文化圏を超えて受け入れられました。スターリーマンにも同様の普遍性があるかどうかが、今後の海外事業回復の鍵を握ります。
経営陣が「経営調整の年」と位置づけたように、バブルマートは成長速度よりも質を重視するフェーズに入ったと見られます。具体的には、収益性の改善、コスト管理、IPポートフォリオの多様化、そして海外市場でのオペレーション最適化が優先課題となるでしょう。短期的には株価の低迷が続く可能性がありますが、中長期的には、持続可能な成長モデルを構築できるかが投資家の評価を左右します。今後の四半期決算で、スターリーマンの海外展開や、新たなヒットIPの創出、為替リスクへのヘッジ策などが注目されます。
よくある質問
Q1: バブルマートの株価は今後回復するのでしょうか? A1: 短期的には不透明感が強いですが、中長期的には新IPの育成状況と海外事業の立て直しが鍵となります。経営陣が成長目標を下方修正したことで、市場の期待値は調整されつつあり、業績が安定すれば株価も底打ちする可能性があります。
Q2: スターリーマンはLABUBUの後継になれるのでしょうか? A2: 現時点では国内での人気が高く、成長率も驚異的ですが、LABUBUのような世界的な認知度にはまだ達していません。今後の海外展開とマーケティング戦略次第で、第二のLABUBUとなるポテンシャルは十分にあります。
参考 URL: https://www.163.com/money/article/L4SKREU300258105.html
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